コラム

樹脂サイディングとは?デメリット・メリットやかかる費用相場を解説

樹脂サイディングとは、原材料に塩化ビニル樹脂を利用した外壁材であり、耐久性が他の素材に比べて高い特徴があります。このようなメリットがありますが、まだあまり知られていない建材ですので、本記事で詳しく解説します。

他にも樹脂サイディングにはあまり知られていないメリットが数多くありますので、ぜひご覧ください。

簡単セルフチェック

樹脂サイディングとは

樹脂サイディングで作られた家の外壁

樹脂サイディングについてご説明する前に、サイディングについてご説明します。サイディングとは板状の外壁材であり、モルタルや漆喰などのように壁を塗って仕上げるタイプとは異なり、サイディングは張るだけで施工が完了します。そのため、そこまで高い技術がなくても施工が可能であり、外壁材のシェアが非常に高い施工方法です。

樹脂サイディングは、塩化ビニル樹脂を原料にしたサイディングです。塩化ビニル樹脂は、天然塩60%、プラスチック40%の配合でできています。

耐久性能に優れており寒さに強いため、カナダや北アメリカで広まりました。日本では北海道をはじめとした凍害に悩む寒冷地域で使われています。

樹脂サイディングのシェア率

日本での樹脂サイディングのシェア率はどうなっているのでしょうか?実は日本ではあまり普及しておらず、外壁材全体のシェアの約1~2%と言われています。

しかし、非常にメリットが多い外壁材なので、これから人気が高まってくる可能性があります。

樹脂サイディングのメリット

樹脂サイディングの外壁 メリット

樹脂サイディングのメリットをご紹介します。これから外壁材を選ぶ方は、ぜひ参考にしてみてください。

➀耐用年数が長くメンテナンスが少なくて済む

樹脂サイディングは非常に耐久年数が長く、他のサイディング材と比べて耐久性能も格段に高いです。そのため、メンテナンスがほとんどいらないのが大きなメリットです。

通常のサイディング材は窯業サイディングや金属サイディングなどですが、10~15年に一度塗装をし直す必要があります。それ以上放置するとひび割れなどが発生して、そこから水がしみこんで家が傷んでしまう可能性があります。

しかし、樹脂サイディングなら20~30年はもつので、家のメンテナンス費用が安くなるでしょう。

➁防水性が高い

防水性能が高く、家を守ってくれるメリットもあります。また凍害や塩害にも強いです。そのため寒冷地でも外壁が傷みにくく、家が海の近くにあっても塩害による外壁の傷みを抑えられます。

そのため、雨や雪が多い地域、北海道や東北地方などの寒冷地、海に近い海浜地域などにお住まいの方は、ぜひ検討してください。

➂ひび割れしにくい

通常のサイディングの場合、板状の外壁材を何枚も張りますが、外壁材同士のつなぎ目にシーリングと呼ばれる補修材を入れます。サイディングの外壁でもっとも傷みやすいのが、この目地に入っているシーリングです。劣化してひび割れがおこるので、10年に1度メンテナンスが必要になります。

しかし、樹脂サイディングには、つなぎ目にシーリングを入れなくても良い製品もあります。そのため、ひび割れが発生しにくく、メンテナンスの頻度を抑えられるのです。

また衝撃に強い素材なので、強風で何かが壁にぶつかった場合に割れるリスクが少ないのも大きなメリットです。

④軽い素材で耐震性が高い

樹脂サイディングは軽い素材ですので、建物への負担が少なくなります。地震が起きたときにもサイディング素材が軽量ならば、耐震性が高くなります。

また外壁が軽量化されているので、メンテナンスで外壁を重ね張りしても、地震の影響を受けにくいメリットもあります。メンテナンス時に外壁を取り除いてから新しい外壁をつけるよりも、取り除かず重ね張りする方が費用は安く済むでしょう。

⑤変色しにくい

樹脂サイディングには、変色しにくいメリットもあります。素材そのものに塗料が含まれているため、表面が着色されているサイディング材と違って変色しにくいのです。そのため時間が経過しても色あせにくく、家が古びた印象にならないメリットがあります。

樹脂サイディングのデメリット

樹脂サイディングの外壁 白い家

樹脂サイディングには多くのメリットがあります。しかしデメリットもありますので、外壁工事を決める前にはしっかりと把握しておくことが重要です。外壁工事が終わった後に、「こんなはずじゃなかった」と後悔しないようにデメリットも知っておきましょう。

➀施工できる業者がそれほど多くない

日本での樹脂サイディングのシェアは1~2%と非常に少ないので、対応できる業者はあまり多くありません。樹脂サイディングの外壁にしようと思っても、なかなか業者が見つからないこともあるでしょう。そのため、インターネットなどで根気良く樹脂サイディングの施工ができる業者を探す必要があります。

➁デザインのバリエーションが少ない

サイディングはもともとデザインのバリエーションが多く、さまざまなデザインの外壁を選べるのがメリットです。しかし、樹脂サイディングに限っては、あまりデザインや色のバリエーションがありません。

そのため、限られた色とデザインから選ぶことになりますので、自分だけのデザインにしたい方にはおすすめできません。

もっとも、樹脂サイディングにはナチュラルな木目調のデザインの製品もあります。自然派の家にしたい方には、ぴったりと言えるでしょう。

➂施工費用がやや高価

樹脂サイディングは、施工費用がやや高めです。なぜなら樹脂サイディングは施工難易度が高いので、業者の工賃が割高だからです。もともと樹脂サイディングを扱う業者が少ないため、対応できる職人が少ないケースもあります。

樹脂サイディングの材料費自体は安価なのですが、工賃が高くなる分が上回ってしまい、トータルで見ると割高になってしまうでしょう。しかし、施工費用が割高であることを考慮しても、10~15年で外壁工事が必要になる他のサイディングに比べると、コストを圧倒的に抑えられます。樹脂サイディングなら20~30年ほどもつので、トータルで見ると安く済むでしょう。

最初にかかる施工費用を安く抑えるべきか、それともコストを抑えるべきかは、個人の考え方によって変わりますでしょう。そのため、外壁の種類はリフォームも考慮して決めることをおすすめします。

まとめ

本記事では、樹脂サイディングとは何か、外壁に樹脂サイディングを採用するメリットとデメリットについて解説しました。樹脂サイディングは非常に耐久性能に優れており、外壁として優秀であることがわかっていただけたのではないでしょうか。しかし、その反面デザインのバリエーションが少ない点や、施工費用が高価である点などのデメリットに気をつける必要があるでしょう。

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