コラム

モルタル外壁とは?寿命は何年?メリット・デメリットを解説します

住宅の建築や外壁メンテナンスなどを行う際には、「モルタル外壁」というワードを聞くことがあるでしょう。そこで建築やメンテナンスを上手に行うために、本記事ではモルタル外壁の基礎知識を解説します。

モルタル外壁のメリット・デメリットや寿命なども含めて解説しますので、業者へ依頼する際は参考にしてください。

一通り目を通せば、自宅にモルタル外壁を採用すべきかどうかを判断できるでしょう。

簡単セルフチェック

モルタル外壁とは?

モルタル外壁を施工する様子

モルタル外壁とは、水:セメント:砂=1:2:5(割合は適宜調整)で混ぜ合わせて作られる外壁素材です。まずモルタル外壁の特徴について見ていきましょう。

<モルタル外壁の特徴>

  • 味わい深い仕上がりになる
  • 防水性が低い
  • デザイン性に優れている

モルタル外壁は防水性は低いため、素材表面に塗装が施されます。

現在のモルタル外壁

現在(2022年時点)では、モルタル外壁の施工は少なくなってきました。主な理由は、以下のとおりです。

<モルタル外壁が少なくなった理由>

  • モルタル外壁の施工には手間がかかる
  • 施工技術を持つ職人が減少した
  • サイディングボードによる施工が主流になった

モルタル外壁の施工には高い技術力が必要です。しかし、左官職人の減少によって、相対的にモルタル外壁の施工ができる人材も少なくなりました。

一方、サイディングボードはモルタル外壁のような技術力が求められず、均一に仕上げられやすいです。そのため、モルタル外壁よりもサイディングボードによる施工が主流になりました。

モルタル外壁の種類は4種類

モルタル外壁の種類 外観

モルタル外壁には以下の4種類があります。

<モルタル外壁の種類>

  • リシン仕上げ:モルタル外壁の上にリシン材(セメントや砂利などを含む塗料)を吹きかけ、外壁にマット感を出す
  • 吹き付けタイル:塗材を吹き付け、モルタル外壁に不規則な模様を施す
  • スタッコ仕上げ:スタッコ(セメントや合成樹脂など)を吹き付け、高級感がありヒビの入りづらい外壁に仕上げる
  • 左官仕上げ:職人の手で仕上げを行うため、自由なデザイン性が特徴

このように、モルタル外壁は種類が豊富です。そのため好みの性能やデザインに合わせて、種類が選べる施工方法と言えます。

モルタル外壁のメリット4つ

モルタル外壁のメリットを4つ解説します。本項目のメリットを参考にして、モルタル外壁がお住まいの住宅にとって理想的な施工方法かどうか判断してください。

➀デザイン性が高い

モルタル外壁は、その種類の多さによるデザイン性の高さがメリットです。そのため、住宅のイメージに合わせた外壁に仕上げられます。

またモルタル外壁は、既製品のように統一されたデザインがありませんので、デザインの自由性が極めて高いです。住宅のデザイン性を重視する場合には、オリジナリティ溢れるモルタル外壁の注文も検討してみてはいかがでしょうか。

➁遮熱効果が期待できる

モルタルは熱伝導性の低さから、遮熱効果に期待できます。外気温が変化しても室温に影響を及ぼしにくいため、夏や・冬でも過ごしやすくなります。

また、外壁に遮熱効果のある塗料を塗布する必要がないため、施工費用の節約も可能です。

➂火事や地震に強い

モルタル外壁は水・砂・セメントなど不燃性の材料で作られているため、耐火性・防火性に優れています。火災が発生した場合でも、延焼するリスクを抑えられます。

また、モルタル外壁は耐久性にも優れている素材です。国土交通省の国土技術政策総合研究所によれば、合板耐久壁のみの外壁よりも、合板耐久壁+モルタル外壁で施工した方が1.7倍の耐久性があるという調査結果が出ています。
※出典:国土交通省 国土技術政策総合研究所

このように火事や地震などの災害に強いため、住宅への強度を求める場合はモルタル外壁も選択肢のひとつと言えます。

④継ぎ目がない

モルタル外壁は継ぎ目がなく、シーリング材の補修は必要ありません。サイディングボードの場合、ボードを貼り合わせた際に継ぎ目ができてしまいす。

継ぎ目にはシーリング材が使用され、定期的な補修が必要です。しかし、モルタル外壁には継ぎ目がないため、シーリング材の劣化を心配する必要がありません。メンテナンスの手間が省ける点のも、モルタル外壁のメリットです。

モルタル外壁のデメリット4つ

ヒビの入った外壁

次にモルタル外壁のデメリットを4つ解説します。

➀ひび割れしやすい

モルタル外壁は以下の理由から、ひび割れ(クラック)を起こしやすい素材です。

<ひび割れする理由>

  • モルタルに含まれる水分により、素材そのものが乾燥して収縮する
  • 吸水性が高い
  • 下地が錆びて膨張する

しかし、モルタル外壁のひび割れを過度に心配する必要はありません。なぜなら、住宅内部の柱や梁などに雨水が漏れだすリスクは低いからです。

また、塗料を使ってひび割れを抑制したり、コーキング材で補修したりできます。定期的なメンテナンスを行えれば、ひび割れを抑えつつモルタル外壁の寿命を延ばせます。

➁汚れが付きやすい

モルタル外壁の表面は凹凸が多く、汚れが付きやすいです。汚れを栄養源とするカビやコケが繁殖すると、見た目が損なわれます。

掃除は自分でもできるので、具体的な方法をお伝えします。

<モルタル外壁の掃除方法>

  1. 先の柔らかいブラシと中性洗剤を用意する
  2. 中性洗剤を10~20倍に薄める
  3. 薄めた中性洗剤を壁にかけてブラシで軽くこする

壁を傷付けないよう、優しくこすることを意識してください。

➂施工にかかる費用が高め

モルタル外壁の場合、施工にかかる費用相場は約5,000~7,000円/1㎡です。一方、サイディングボードの施工は約2,000~4,000円/㎡なので、モルタル外壁の方が費用は高く設定されています。

しかし、メンテナンスの手間などを考えるとモルタル外壁の方が利便性に優れていると言えます。そのため、お住まいの住宅の状況からどの外壁を選ぶか検討することをおすすめします。

④防水性が低い

モルタル外壁は防水性が低いため、湿潤・乾燥を繰り返すうちに耐久性が低下する恐れもあります。耐久性の低下によって、ひび割れや外壁の剥がれなどが起こります。

ただし、モルタル外壁には「防水モルタル」という素材もあるため、必要に応じて対策可能です。防水モルタルは、防水材を加えることで防水機能を強化しています。

主に外壁の補修やガーデニング用などに使われます。ただし、メーカーによって加えられる防水材は異なるので、事前に確認しておきましょう。

モルタル外壁の寿命は何年?

モルタル外壁の寿命は、30年程度です。しかし、メンテナンスを行えば寿命を延ばすこともできます。

メンテナンスの頻度は以下のとおりです。

<メンテナンスの頻度>

  • 新築住宅:10年
  • メンテナンス後の住宅:10~15年

メンテナンスでは、モルタル外壁の上に専用の塗料を塗ります。塗料の種類によってもメンテナンスの頻度は変わりますので、目安として考えておきましょう。

まとめ

モルタル外壁は、外壁としての性能やデザイン性に優れた素材です。現在(2022年時点)では使用されるケースが減ったものの、根強い人気があります。

ただし、住宅を建てる際はデメリットに気を付けましょう。特にメンテナンスに関するデメリットは、住宅の質を保つために長年にわたり対応しなければならない可能性もあります。

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