遮熱塗料とは|耐用年数や費用の相場、メリット・デメリットを解説します
遮熱塗料とは太陽光を反射する塗料であり、近年では多く使われるようになりました。国が推奨している新しい塗料であり、遮熱効果によるさまざまなメリットがあります。
本記事では遮熱塗料の耐用年数や費用の相場、メリット・デメリットについて詳しく解説しますので、参考にしてください。
遮熱塗料とは
遮熱塗料とは、太陽光を反射する塗料であり、屋根や外壁に塗装すると室内の温度上昇を抑制する効果があります。2011年に日本塗料工業会によって工業規格が定められ、正式名称は「高日射反射率塗料」と言います。
類似する塗料に断熱塗料がありますが、断熱塗料は熱伝導を抑えるため暑さと寒さの両方に効果があるのに対し、遮熱塗料は屋外の熱の侵入を抑える効果を発揮します。遮熱塗料は断熱塗料よりも費用が安めで、省エネ商品として国から推奨されており、自治体によっては施工に助成金・補助金がおりるところもあります。
遮熱塗料は効果がない?
環境省環境技術実証事業 『サーモアイSi』の調査によると、遮熱塗料には以下の3つの観点において確実な効果があります。
- 室温
- 屋根の表面温度
- 電気代
東京工場内の検証では、自然室温が45.3°cから43.5°cと1.8°c下がった結果が出ています。また屋根の表面温度も55.1°cから47.3°cまで抑え、7.8°cと温度を大幅に下げました。さらに、年間の冷房費は4.6%ほど低減できる結果も出ています。
遮熱塗料の5つのメリット
遮熱塗料を施工することには、以下の5つのメリットが挙げられます。
- 夏場の部屋が快適になる
- 節電できる
- 電気代が安くなる
- 耐用年数が長い
- 外壁や屋根の劣化を防げる
➀夏場の部屋が快適になる
遮熱塗料で室温の上昇を抑えられるため、夏場の部屋が快適になる点がメリットです。遮熱塗料を屋根や外壁に塗ると、塗布面は太陽光を反射しますので、屋根材や外壁材に熱がこもらなくなります。
夏の熱い太陽光も反射することから、猛暑の暑さを軽減できます。その温度差は2〜3°c程度と言われており、体感温度では十分な違いを感じる効果があります。
➁節電できる
遮熱塗料の利用は、節電につながります。夏の日中に一般家庭で消費する電力のうち多くを占めるのがエアコンによる電力です。エアコンを稼働すると、CO2も排出されます。
遮熱塗料を塗装しておけば、室温の上昇を抑制できます。そのためエアコンの使用量を抑えられますので、環境保護にも役立つでしょう。
➂電気代が安くなる
遮熱塗料の遮熱効果により、室内温度が低くなるとエアコンにかかる光熱費の節約ができます。環境庁の調査によると、年間で4.6%ほどの冷房代が節約できるとの結果が出ています。
④耐用年数が長い
遮熱塗料の耐用年数は、10〜20年とされています。他の塗料よりも耐用年数が長い特徴がありますので、一度施工すれば効果が長く続く点もメリットです。
⑤外壁や屋根の劣化を防げる
遮熱塗料には、熱から保護して家の劣化を防ぐ効果もあります。外壁材や屋根材は、熱に対する耐用年数が短くなる場合があります。
そこで遮熱塗料を塗布すると、外壁材や屋根材の寿命を延ばすことが可能です。特に金属製の素材に塗布すると温度差による熱膨張を防ぎ、塗膜の割れやヒビのリスクを軽減できます。
遮熱塗料の3つのデメリット
遮熱塗料にはデメリットもあるため、施工前には慎重に検討する必要があります。考慮すべきデメリットは、以下の3つです。
- コストが高い
- 劣化すると効果が落ちる
- 断熱効果はなく、冬場の寒さには影響しない
➀コストが高い
遮熱塗料は、外壁塗料に広く使われているシリコン塗料と比べると約2倍の費用がかかります。しかし、耐用年数は他の塗料と比べると長いことから、コストパフォーマンスで考えればお得になる場合もあります。
また遮熱塗料を使った施工は、助成金・補助金の対象となる自治体もありますので、住んでいる自治体の制度を確認しておくことをおすすめします。
➁劣化すると効果が落ちる
遮熱塗料を塗っても、年数が経ち劣化すると遮熱効果は落ちていきます。特に表面が汚れると太陽光を反射しにくくなり、遮熱効果が低くなります。
そのため遮熱塗料の中でも親水性の高い塗料を選ぶと、汚れにくいためおすすめです。逆に親水性のない遮熱塗料を塗装した場合には、定期的に塗膜の洗浄を行い、遮熱効果を保持させると良いでしょう。
➂断熱効果はなく、冬場の寒さには影響しない
遮熱塗料は太陽光を反射して暑さを防ぐ仕組みのため、主に猛暑の時期に効果を発揮します。一方断熱効果はないため、冬場の寒さには影響しません。
むしろ太陽光による外からの熱を中に伝えない働きをするため、冬場でも室温を下げてしまう場合もあります。そのため、遮熱塗料は気温が高い地域や夏の暑さを凌ぎたいご家庭におすすめです。
遮熱塗料の耐用年数
遮熱塗料の耐用年数は、10〜20年ほどとされています。一般の塗料と比べると1.5〜2倍ほど長く、メンテナンスしやすい塗料と言えるでしょう。
遮熱塗料にかかる費用相場
遮熱塗料にかかる費用相場は、平方メートルあたり3,000〜5,000円程度が相場です。たとえば屋根に塗装した場合、100平方メートルで30〜50万円ほどかかる計算となります。
また施工には足場が必要であり、足場代として別途平方メートルあたり1,000円程度の費用がかかるのが一般的です。
遮熱塗料が向いている家は?
遮熱塗料のメリット・デメリットを踏まえたうえで、施工が向いている家の特徴をまとめると以下のとおりです。
- 屋根や外壁が金属素材の家
- 光熱費を節約したい家
- 気温が高い地方の家
- 暑さに弱い高齢者の方がいる家
- 屋根の熱が伝わりやすい吹き抜けがある家
- 熱を吸収しやすい濃い色目の外壁の家
遮熱塗料の性質を良く理解したうえで、自宅にとってメリットが多いようであれば施工を検討してみてください。
まとめ
遮熱塗料は、一般的なシリコン塗料に比べると費用は高めですが、電気代を節約でき、屋根や外壁の劣化を防げるなど多くのメリットがあります。特に外壁が金属素材の建物や夏の暑さを防ぎたいご家庭におすすめの施工です。
遮熱塗料は、他の塗料と比べて塗りにくい特性があることから、ムラなく塗るには確実な技術が必要です。また費用も割高なため、明確な見積もりを出してくれる信頼性が高い業者に依頼しましょう。
堀内美建では、創業以来多くの外壁施工を行ってきた実績があります。自社とメーカーのダブル保証でご安心いただける工事品質ですので、多くのお客様からご満足いただいております。そのため遮熱塗料の施工を検討しているのであれば、お気軽にお問い合わせください。