金属サイディング塗装で後悔しない!塗装の基本と10年後に差がつくメンテナンス術
「金属サイディングの外壁が色あせてきたけど、塗装って本当に必要なの?」
「塗り替えるタイミングや、どんなメンテナンスが正解か分からない…」
そう思う方もいるかもしれません。
金属サイディング塗装で後悔しないためには、適切な塗り替え時期を知り、素材に合ったメンテナンス方法を理解しておくことが大切です。
この記事では、金属サイディング外壁の塗装が必要な理由、塗り替えの最適なタイミング、そして長持ちさせるためのメンテナンスのコツを3つに絞ってご紹介します。
家の美観と耐久性を保ちたい方はぜひご覧ください。

金属サイディングとは

サイディングとは、建物の外壁に使用する外壁材です。壁の広さに合わせたサイズにサイディングボードをカットし、つなぎ目を埋めて雨漏りや剥がれが起こらないように加工します。サイディングに使用される材質には多くの種類がありますが、そのうち金属製のものを金属サイディングと呼びます。
金属サイディングは、金属板と断熱効果を持つ裏打ち材を合わせた構成になっています。軽量で断熱性に優れ、ひび割れや凍害が起こりにくいのが特徴です。また、古い外壁の上に重ねて張る外壁カバー工法も可能なため、リフォームにもよく使用されます。
以前の金属サイディングではトタンやアルミなどが使われていましたが、現在ではガルバリウム鋼板が一般的です。そこでガルバリウム鋼板はどのようなものなのか詳しく解説します。
ガルバリウム鋼板とは
ガルバリウムは素材の名前であり、JIS規格における正式名称は「溶融55%アルミニウム-亜鉛合金めっき鋼板」です。鉄をアルミや亜鉛の合金であるガルバリウムで被せて作られています。ガルバリウムで鉄を保護することで、耐震性や耐久性のある素材になります。また、コストパフォーマンスに優れている点も広く使用されている理由の1つです。
金属サイディング塗装とは?素材の特徴と塗装の必要性

金属サイディングは、軽量かつ高耐久な外壁材として多くの住宅に採用されています。しかし、どんなに優れた素材であっても、時間の経過とともに劣化は避けられません。
特に外壁の「塗装」は、見た目の美しさだけでなく、建物を守るためにも欠かせない重要なメンテナンスです。
ここでは、金属サイディングの特徴や塗装が必要とされる理由について詳しく解説します。
金属サイディングのメリット

金属サイディングは、新築・リフォームともに近年多く使用されている施工方法の1つです。
また、一般的な施工方法として広く採用されているのには理由があります。そこで、金属サイディングのメリット5つを紹介します。
- 長持ちする
- 断熱性が高い
- ひび割れしにくい
- 軽い素材なので地震に強い
- 施工しやすい
➀長持ちする
金属サイディングは耐用年数が40年程度と、長持ちするのが大きなメリットです。金属サイディングは施工の際に窓まわりや外壁の接合箇所にシーリングを施しますが、シーリングは役物(やくもの、特殊な用途に使われる特殊な形状の建築製品)を取り付けると隠れるため外的要素の影響を受けにくいです。そのため、紫外線や雨風などによる劣化が少なく、長期間打ち替えの必要がありません。
また張り替え工事には解体作業が伴いますが、金属サイディングは他の外壁材に比べて剥がすのも容易です。金属はリサイクルも可能であることから、処分費用がかかりにくいのもメリットといえます。
そのため、将来の張り替えまで考えればコストパフォーマンスの良い外壁材であるといえるでしょう。
➁断熱性が高い
金属サイディングの芯材には断熱材が使用されているものが多いです。そのため、窯業やモルタルなどの外壁材に比べて断熱性が高いのが特徴です。
また金属サイディングを外壁カバー工法で行うと、断熱性がより高くなります。外壁カバー工法では、断熱材に加えて空気層による断熱効果も得られます。外の気温の影響をあまり受けず、1年中快適に過ごせる家作りができる点がメリットです。
➂ひび割れしにくい
金属は強度が高く、吸水や乾燥収縮など外的要素の影響を受けにくい素材です。そのため、ひび割れしにくい点もメリットです。また外壁の損傷で多いのが凍害ですが、金属サイディングは窯業などに比べ凍害が起こりにくいのも嬉しいポイントです。
金属は凹みやすく歪みやすいという特徴があります。しかし、近年の金属サイディングは裏側に断熱材を使用しており、芯材は鉄をベースにしたガルバリウム鋼板が主流のため、耐衝撃性も大幅に改善されています。
④軽い素材なので地震に強い
金属サイディングは軽い素材のため、地震に強い点も特徴です。建物の総重量が軽いと耐震性の向上につながります。
地震で揺れが生じると、建物の柱や梁、壁などの重要な箇所に負荷がかかり、建物の倒壊を引き起こしかねません。建物の重量が大きいと遠心力が加わるため、負荷はさらに大きくなります。そこで、軽い素材の金属サイディングを使っておけば、負荷を軽減して地震の損傷リスクを小さくできる点がメリットになります。
⑤施工しやすい
金属サイディングは、窯業系サイディングやモルタル外壁に比べて軽量な素材です。軽量であることは施工しやすいことにつながります。施工しやすいため工期が短く、コストパフォーマンスが良いのがメリットです。
金属サイディングのデメリット
金属サイディングのさまざまなメリットを紹介しましたが、デメリットもあります。施工する前にはデメリットについても確認しておくことが重要ですので、金属サイディングの主なデメリット3つと対処法について紹介します。
- 窯業サイディングや樹脂サイディングより高価
- 傷がつきやすい
- 錆びやすい
➀窯業サイディングや樹脂サイディングより高価
新築に施工する場合、金属サイディングは窯業サイディングや樹脂サイディングより高価な点はデメリットです。またリフォーム時に金属サイディングを選択する場合にも、外壁塗装では2倍以上の費用がかかるのが一般的です。
ただし実際にかかる費用だけでなく、コストパフォーマンスについても検討することをおすすめします。長期的に見ると、金属サイディングは長持ちするため結果的にお得であるともいえます。現在の予算に将来的なメンテナンス費用の予算を加味した上で、施工方法を検討すると良いでしょう。
➁傷がつきやすい
金属は傷がつきやすい素材である点もデメリットです。強風で飛んでくる石や何か鋭利なものなどがぶつかって傷がついてしまう場合があります。
表面の擦り傷は放っておくと腐食の原因となるため、気づいたらすぐに補修を行うべきです。傷が軽微な場合は、タッチアップ剤などを使って自身での補修も可能です。金属サイディングを長持ちさせるには、傷がついていないか定期的にチェックすることが重要といえるでしょう。
➂錆びやすい
金属には錆びやすい性質があります。金属サイディングは錆び防止のために塗装を施しているため、塗装の効果が続いている限りはほとんど錆びないでしょう。
しかし、傷や経年劣化により塗装が剥げてしまうと金属部が剥き出しになり、錆びる可能性が出てきます。金属サイディングのうち、近年主流になっているガルバニウム鋼板は比較的錆びにくい素材です。また、エスジーエル鋼板やアルミなどのサイディングはより錆びにくい性質があります。補修をできるだけ避けたい場合には、錆びにくい素材にこだわることも大事でしょう。
なぜ塗装が必要なのか
金属サイディングは耐久性の高い素材ではありますが、それでも外部環境にさらされ続けることで劣化は進行していきます。
特に塗装による防御が弱まると、サビや腐食が表面化し、建物そのものにダメージを与えてしまうこともあるのです。ここでは、金属サイディングに塗装が必要な理由と、放置によって起こるリスクについてご紹介します。
塗膜による防錆効果と耐久性の維持
金属サイディングに塗装を施す最大の目的は、防錆と耐久性の確保です。金属は空気中の酸素や水分と反応して酸化しやすいため、表面を塗膜で保護しておく必要があります。新築時には工場塗装が施されていますが、年数が経つとその塗膜も劣化してしまいます。
このような劣化が進むと、外壁にサビが浮き出てきたり、塗膜が剥がれたりするようになります。塗膜が剥がれると、下地の金属がむき出しになり、雨水の浸入を許してしまいます。その結果、外壁そのものが腐食してしまう恐れがあるため、定期的な塗り替えが必要なのです。
放置した場合に起こる劣化のリスク
塗装を怠った場合、金属サイディングにはさまざまなリスクが生じます。
最も深刻なのは「腐食」です。雨風にさらされた金属表面は、サビが内部へと進行し、やがて穴が開いてしまうこともあります。
また、塗膜が剥がれた部分から外壁内部に雨水が浸入し、壁内部の断熱材や木材を傷めるケースも少なくありません。
さらに、表面の色あせや光沢の喪失によって、建物全体の印象が古びて見えるようになります。美観の低下は、住まい手の満足度にも影響しますし、将来的に売却や賃貸を検討する際の資産価値にも関わる要素です。
下地処理の重要性
金属サイディングの塗装において、仕上がりの美しさや耐久性を左右する最大のポイントのひとつが「下地処理」です。どれほど高性能な塗料を使用しても、下地が整っていなければ、数年で塗膜が剥がれたり、サビが再発するリスクが高まります。
特に金属サイディングの場合は、表面に付着した汚れや古い塗膜、そしてサビなどを確実に除去する工程が求められます。この処理を怠ると、塗料が密着せず、すぐに浮きや剥がれの原因となってしまいます。また、サビが残っていると、その上から塗っても内部で腐食が進行し、数年後に建物の美観や構造に大きなダメージを与える可能性もあります。
下地処理の一般的な手順としては、まず高圧洗浄によって表面の汚れやホコリを落とし、その後、ケレン作業と呼ばれる手作業または機械を使ったサビ落としを行います。
サビが軽度であればサンドペーパーでの研磨、中程度以上の場合は電動工具によるケレンが必要となります。加えて、サビ止め塗料の選定も重要です。素材に適したものを選ばなければ、十分な防錆効果は得られません。
このように、金属サイディング塗装では見えない部分である下地処理こそが、塗装の品質を支える土台となります。信頼できる業者であれば、この工程にどれほど時間と手間をかけているかを丁寧に説明してくれるでしょう。
もし見積もりに「下地処理」という記載が曖昧な場合は、施工後のトラブルを防ぐためにも、詳細を確認することが大切です。
塗料の選び方と相性
金属サイディングの塗装に使用する塗料は、素材との相性が非常に重要です。適切な塗料を選ばなければ、塗膜の剥がれや耐久年数の短縮といったトラブルにつながります。
一般的に金属サイディングに使われる塗料には「シリコン系」「フッ素系」「遮熱塗料」などがあります。シリコン系はコストパフォーマンスが良く、耐久性も標準的なので、多くの住宅で採用されています。フッ素系はさらに耐久年数が長く、汚れにくい特徴がありますが、価格が高めです。遮熱塗料は外壁の熱を反射して建物内部の温度上昇を抑えるため、夏場の快適性を重視する方に適しています。
塗料選びでは、外壁の設置環境や希望の耐久年数、予算に応じて最適な種類を検討することが大切です。特に金属サイディングは熱膨張しやすいため、柔軟性のある塗料を選ぶとひび割れが起こりにくくなります。
また、塗料の性能だけでなく、施工業者の技術力も仕上がりに大きく影響します。適切な下地処理と塗装工程を経ることで、塗料の性能を最大限に引き出せるため、業者選びも慎重に行うことが望ましいです。
見積もりで確認すべき3つのポイント
使用塗料のグレードと耐久性
見積もりを受け取った際には、まず使用される塗料の種類とグレードを確認することが大切です。塗料には耐久年数や防錆性能が異なるため、安価な塗料を選ぶと数年で再塗装が必要になる可能性があります。長期的なコストを考慮すると、多少高くても耐久性の高い塗料を選ぶほうがお得になることが多いです。
下地処理とサビ対策の有無
見積もりに下地処理やサビ止め塗料の使用が明記されているかどうかも重要です。下地処理をきちんと行わなければ、塗装の剥がれやサビの再発を招きやすくなります。施工内容の詳細が不明瞭な場合は、必ず業者に確認を取り、納得できる説明を受けることが必要です。
保証内容とアフターサポート
施工後の保証期間や内容、アフターサービスの有無もチェックすべきポイントです。外壁塗装は長期間にわたるメンテナンスが必要なため、保証が充実している業者ならば安心して任せられます。保証書の有無や条件についても事前に確認しましょう。
トラブルを防ぐための注意点
外壁塗装工事では、トラブルを避けるために事前の準備と確認が欠かせません。特に金属サイディングの塗装は専門的な知識が必要なため、いくつか注意点を押さえておくことが重要です。
まず、見積もり内容があいまいだったり、不自然に安価すぎる場合は要注意です。
材料の質が低い、または施工工程が省略されている可能性があります。適正な価格と施工内容のバランスを見極めるためには、複数の業者から見積もりを取り、比較検討することをおすすめします。
また、施工中の近隣への配慮も確認しておきたいポイントです。騒音や粉塵、施工車両の駐車場所などでトラブルが起きやすいため、業者のマナーや対応力は信頼度の指標になります。
さらに、契約前に工事のスケジュールや使用する塗料の詳細を明確にしておくことが、後々のトラブル防止につながります。工事中の変更や追加費用が発生する場合も、きちんと書面で確認を取ることが大切です。
これらの注意点を踏まえ、信頼できる業者としっかりコミュニケーションをとることで、満足のいく仕上がりと安心した施工が実現します。
長持ちさせるために!金属サイディングのメンテナンス方法3選
定期的な点検のすすめ
金属サイディングを長く美しく保つためには、定期的な点検が欠かせません。
特に築5年を過ぎたあたりからは、外壁の色あせや小さなひび割れ、サビの兆候などを早めに発見し、対処することが重要です。自分で目視チェックを行うだけでなく、専門業者に依頼して詳細な点検をしてもらうのも効果的です。
点検を怠ると、小さな不具合が大きなダメージにつながる恐れがありますので、年に一度は外壁全体を確認することをおすすめします。
高圧洗浄・汚れ除去のタイミング
外壁の汚れやホコリは塗膜の劣化を早める原因のひとつです。
特に金属サイディングは表面の塗膜が劣化するとサビが発生しやすくなるため、定期的に高圧洗浄で汚れをしっかりと落とすことが大切です。高圧洗浄は自分で行うことも可能ですが、塗膜にダメージを与えないよう注意が必要です。
可能であれば、専門のクリーニング業者に依頼するのが安全です。汚れを落とすことで、塗膜の寿命が延び、次の塗り替えまでの期間を長く保つことができます。
コーキングの打ち替えと補修方法
金属サイディングのつなぎ目や窓枠周りにはコーキング材が使われていますが、この部分は紫外線や雨風によって劣化しやすく、ひび割れや剥がれが起こります。
コーキングが劣化すると雨水が浸入しやすくなり、内部の腐食や断熱材の劣化につながる恐れがあるため、定期的な打ち替えが必要です。一般的には5〜10年を目安に補修を検討し、専門業者に依頼してしっかりとメンテナンスを行うことが望ましいです。
金属サイディング塗装の費用相場と内訳【損しない見積もりの見方】
一般的な費用相場(1㎡あたり・30坪目安)
金属サイディングの塗装費用は、塗料の種類や施工内容によって幅がありますが、一般的には1平方メートルあたり約2,000円から4,000円程度が相場とされています。
30坪(約100平方メートル)の住宅の場合、総額で20万円から40万円程度になることが多いです。ただし、築年数や劣化の進行具合、足場設置の有無などにより費用は増減しますので、注意が必要です。
費用を左右する4つの要素
使用塗料の種類
塗料の種類は費用に大きく影響します。耐久性が高く高価なフッ素系や無機系塗料は、長期的に見るとコストパフォーマンスに優れますが、初期費用は高くなります。
一方、シリコン系塗料は価格が抑えられるものの耐用年数はやや短めです。
足場や下地処理の有無
外壁全体に足場を組む必要があるため、足場設置費用は見積もりに必ず含まれます。また、下地処理の内容によっても価格は変わります。サビ落としや古い塗膜の除去が多い場合はその分費用が上がります。
築年数や既存の劣化状態
築年数が長く、劣化が進んでいる場合は補修工事が必要となることが多く、追加費用がかかることがあります。反対に、比較的新しい建物で状態が良ければ費用は抑えられます。
業者ごとの施工方法や価格差
業者によって施工の丁寧さや使用する材料、工法に差があるため、価格も異なります。安価すぎる業者は手抜き工事のリスクがあるため、複数業者の見積もりを比較することが重要です。
見積もりを比較する際のチェックポイント
見積もりを比較する際は、単に価格だけでなく、施工内容の詳細を確認しましょう。使用塗料の種類や下地処理の範囲、保証内容などを明確に把握し、納得したうえで依頼することが後悔しないポイントです。
まとめ
金属サイディングは軽量で耐久性に優れ、モダンな外観を演出できる魅力的な外壁材です。
しかし、塗膜の劣化や下地の腐食を防ぐためには、適切な塗装と定期的なメンテナンスが欠かせません。劣化のサインを早めに見つけて対処することが、建物の寿命を延ばし、美しさを保つためのポイントです。
また、塗装工事を依頼する際には、信頼できる業者を選ぶことが非常に重要です。見積もり内容の透明性や使用塗料の種類、下地処理の有無をしっかり確認し、保証やアフターサービスも充実しているかをチェックしましょう。
日常の点検や高圧洗浄、コーキングの補修といった基本的なメンテナンスを続けることで、塗装の効果を長持ちさせ、結果として余計な出費やトラブルを防ぐことができます。
金属サイディングの外壁塗装とメンテナンスは、住まいの資産価値を守る重要な投資です。正しい知識と計画的な管理で、美しい住まいを長く維持していきましょう。
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