リシン吹き付けとは|費用の相場や耐用年数、メリット・デメリット、外壁のメンテナンス法も紹介
外壁塗装の仕上げ方の一つが、リシン吹き付けです。
割安な費用で高級感ある見た目に仕上がりますが、クラックと呼ばれるひび割れを起こしやすいなどのデメリットがあります。
そこで本記事では、リシン吹き付けのメリット・デメリットをわかりやすく解説し、費用相場やメンテナンス法についてもお伝えします。
リシン吹き付けとは
リシン吹き付けとは、モルタル外壁における仕上げ方の一つです。
仕上げ用の塗料に小さな石や砂を混ぜている点が特徴で、ボコボコした見た目とザラザラした手触りの外壁に仕上がります。非常に塗りやすく時間がかからないことから、広く使われている仕上げ方です。
リシン吹き付け以外のモルタル壁の仕上げ方
リシン吹き付け以外にも、モルタル壁の仕上げ方には以下のようなものがあります。
・スタッコ
セメントと骨材を混ぜた仕上げ材で、リシン吹き付け以上に重量感ある仕上がりになります。耐用年数は8~10年程度で、工事費用の目安は1㎡あたり2,500~3,000円です。
・吹き付けタイル
寒水石や骨材を樹脂と混ぜ合わせた仕上げ材で、ソフトな仕上がりになる点が特徴です。耐用年数は15年ほどで、工事費用の目安は1㎡あたり2,500~3,000円になります。
・左官仕上げ
コテを使って扇状の柄をつける技法で、職人による熟練した技術が求められます。工事費用の目安は1㎡あたり4,000~5,000円とやや高めですが、耐用年数は18年程度と長いです。
それぞれ特徴があるため、自宅の雰囲気に合った仕上げ方を選びましょう。
リシン吹き付けの3つのメリット
リシン吹き付けを選ぶメリットには、以下の3つが挙げられます。
<リシン吹き付けの3つのメリット>
- 施工費用が安価
- 高級感のある見た目
- 通気性が良い
それぞれについて詳しくご紹介します。
施工費用が安価
リシン吹き付けでは、施工費用は安価になります。リシン吹き付けはリシンガンと呼ばれるスプレーで吹き付けるため、左官仕上げのように特別な技術が求められません。また施工時間も短いので、短期間で施工を済ませられます。
高級感のある見た目
高級感のある見た目に仕上がる点も、リシン吹き付けのメリットです。リシン吹き付けはツヤを抑えて塗装するケースが多いため、日本家屋にマッチする落ち着きのあるデザインに仕上げられます。
通気性が良い
リシン吹き付けは通気性が良い仕上げ方ですので、住宅の内部にたまっている湿気をスムーズに逃すことができます。そのため木造住宅で使われている木材を傷めにくく、長持ちさせられます。
リシン吹き付けの3つのデメリット
しかしリシン吹き付けには、以下のようなデメリットもあります。
<リシン吹き付けの3つのデメリット>
- ひび割れを起こしやすい
- 隙間に汚れがつきやすい
- 耐用年数がやや低め
デメリットも詳しく把握したうえで、自宅にリシン吹き付けが適しているかどうか検討しましょう。
ひび割れを起こしやすい
リシン吹き付けは塗膜が薄いため、ひび割れが起こりやすいです。ひび割れが生じたまま放置すると、雨水が住宅の内部まで浸透し、木材等を腐らせてしまう恐れがあります。通気性が良い木造住宅ではダメージを受けやすいので、定期的な観察が必須です。
隙間に汚れがつきやすい
凹凸の隙間に汚れがつきやすくなる点もリシン吹き付けのデメリットです。隙間には汚れだけでなく雨水などの水滴が溜まりますので、カビやコケが生えることがあります。これを長く放置してしまうと、外壁全体が劣化してしまう原因になりかねません。
耐用年数がやや低め
リシン吹き付けの耐用年数は8年ほどです。モルタル壁のその他の仕上げ方とリシン吹き付けの耐用年数を表にまとめましたので、ご覧ください。
【モルタル材の仕上げ方別に見た耐用年数の目安】
仕上げ方 | 耐用年数の目安 |
---|---|
リシン吹き付け | 8年 |
スタッコ | 8~10年 |
吹き付けタイル | 15年 |
左官仕上げ | 18年 |
リシン吹き付けの耐用年数は、吹き付けタイルと比べると約半分であり、もっとも長い左官仕上げと比べた場合には10年もの差が生まれます。そのため外壁塗装を短いスパンで行う必要がある点には気をつけましょう。
リシン吹き付けの外壁塗装にかかる費用
リシン吹き付けにおける塗装費用は、1㎡あたり1,000~1,500円が相場です。その他の仕上げ方と費用相場を比較してみましょう。
【モルタル材の仕上げ方別に見た費用の目安】
仕上げ方 | 費用の目安(1㎡あたり) |
---|---|
リシン吹き付け | 1,000~1,500円 |
スタッコ | 2,500~3,000円 |
吹き付けタイル | 2,500~3,000円 |
左官仕上げ | 4,000~5,000円 |
リシン吹き付けにかかる費用相場は、その他の仕上げ方と比べると割安で、スタッコや吹き付けタイルと比べるおよそ半分以下の費用に抑えられます。工事にかかる費用は安いため、1回あたりの工事費を安く抑えたい方にはリシン吹き付けがおすすめです。
リシン吹き付けの外壁のメンテナンス法
リシン吹き付けのメンテナンス法を、トラブルの種類ごとに解説します。
ひび割れ(クラック)が発生した場合
ひび割れができた場合はその部分を専用の機械でカットしてから、シーリング材を充填してメンテナンスします。ただし、これは応急処置のようなものと考えなければなりません。
ひび割れは経年劣化を示すサインですので、原則として塗装のやり直しが必要な状態です。
チョーキングが発生した場合
リシン吹き付けを触ったときに塗料が手につく状態をチョーキングと言います。これは塗料の耐久性が劣化したサインであり、雨水の浸入などを防ぐために塗り直しが必要な状態です。しかし、ひび割れができた場合と比べると、補修の必要がないため塗装工事は速やかに完了します。
カビ汚れが発生した場合
カビ汚れが発生した場合は、ブラシでこすったり、シャワーを当てたりするメンテナンスで汚れを除去できる場合があります。これだけで不十分な場合は、高圧洗浄機による清掃が必要です。自身で中性洗剤を用意して汚れを落とすこともできますが、リシン吹き付けはデリケートなため強い力でこすらないように注意しましょう。
まとめ
リシン吹き付けは高級感ある仕上がりになりますが、ひび割れが起こりやすい点や耐用年数が短い点には注意しましょう。
またカビ汚れのメンテナンスは自身でも行えますが、ひび割れ等のトラブルが見られる場合は外壁塗装業者に修理を依頼しましょう。
堀内美建では、千葉県船橋市を拠点に外壁塗装・屋根塗装を行っています。
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