マンションの外壁塗装で知っておきたいポイントを解説
マンションの外壁が劣化すると、外観が損なわれたり、倒壊の危険が高まる可能性があります。
従って、マンションを美しく安全に保つためには、定期的な外壁塗装が必要です。
しかし、マンションの外壁塗装を行うとなると「外壁塗装にはどれくらいの費用がかかるのか」「現在のマンションに外壁塗装が必要かどうか」などを知りたいと思う方も多いでしょう。
この記事では、マンションの外壁塗装に関する費用の相場や注意すべき点、塗装の必要性を判断するためのポイント、そして適切な塗装サイクルについて解説します。
マンションに外壁塗装が必要か見分けるポイント
外壁塗装が必要かを見分けるポイントとして、以下のサインが外壁に現れていないかをチェックしてみましょう。
- ひび
- 色あせ
- チョーキング
- コケ
- 雨漏り
それぞれの状態について、詳しく解説します。
1. ひび
外壁やバルコニーなどにひび割れや剥がれが見られる場合、それは塗装が劣化している兆候です。
ひび割れを放置すると、虫や雨水が侵入し、マンションの耐久性を低下させたり、雨漏りを引き起こす可能性があります。
素人が修復できないほどの劣化が見られる場合は、業者に早急に塗装を依頼しましょう。
2. 色あせ
外壁に色褪せがみられる場合、外壁の防水性が低下している可能性があります。
見た目で確認するのが難しい場合は、外壁に水をかけてみてください。水がはじかれれば、まだ色あせが進んでいない可能性が高いです。
一方、水を吸収してしまった場合は、すでに劣化が進んでいるため、塗装を行うことが望ましいです。
3. チョーキング
チョーキングとは、外壁に塗られた塗料の顔料が表面に現れる現象です。これにより、外壁に触れると手に白い粉がつくことがあります。
このチョーキング現象が見られる場合、劣化の兆候です。
チョーキングは、施工不良や時間経過による外壁の劣化によって引き起こされます。
チョーキングが起きている外壁は防水性が低下しており、建物を雨からしっかりと守る能力が失われています。そのため、すぐに外壁塗装を行う必要があります。
4. コケ
日光が少ない場所や湿気の多い場所では、コケやカビ、藻が発生しやすい傾向にあります。
これらが繁殖し、付着すると、除去が難しくなることがあります。
頑固なコケを取り除くのにかかる費用が高くなることもありますので、早めに専門業者に相談することをおすすめします。
5. 雨漏り
マンションでの雨漏りは最上階だけでなく他の階でも発生することがあります。
最上階以外で雨漏りが起きている場合、外壁から雨水が侵入している可能性があります。このような場合は、外壁塗装が必要とされるでしょう。
マンションの外壁塗装にかかる費用
マンションの外壁塗装にかかる費用は、使用する塗料や外壁の状態によっても大きく変わるため、目安となる相場の幅は大きくなってしまいます。
おおよその相場感をつかむ参考として、階数による価格帯をご紹介します。
もちろん、戸数や坪数などによって変わるので、あくまで目安と考えておきましょう。
階数 | 費用相場 |
---|---|
3階建て | 130〜410万円 |
4階建て | 340〜550万円 |
5階建て | 450〜670万円 |
6階建て | 540〜820万円 |
7階建て | 630〜950万円 |
また、1戸あたりの外壁塗装の相場は12.9万円〜21.6万円ほどとなっており、戸数に対しての費用の目安は以下です。
5戸 | 65万円〜108万円 |
15戸 | 194万円〜324万円 |
30戸 | 387万円〜648万円 |
これらの費用はあくまで目安であり、マンションの規模や外壁の状態によって異なります。
費用を詳細に知りたい場合は、専門業者にご相談することをおすすめします。
マンションの外壁塗装にも助成金は適用される?
外壁工事の助成金には以下の3種類があります。
- 遮熱塗料や断熱塗料での外壁塗装工事
- 外壁の断熱改修工事
- 通常の外壁塗装や外壁改修工事
外壁工事で助成金を受けられるのは、主に省エネや環境に貢献する工事です。
具体的には、断熱塗料を使った外壁塗装や断熱材の設置などが該当します。
また、省エネに限らず通常の外壁塗装や改修工事も、一部の自治体では助成金の対象になることがあります。自治体ごとに様々な補助金制度があるため、詳細を確認してみることをおすすめします。
マンションの外壁塗装の工事期間・工程
マンションの規模に応じて工期がことなります。
例えば、50戸未満のマンションでは、工期は通常1〜3か月ほどですが、50戸以上のマンションでは、工期は通常3〜6か月ほどかかる場合があります。
これは、足場の組み立てに加えて、作業員の待機場所や仮設トイレの設置なども必要になるからです。
マンションの外壁塗装の人気色4選と色選びのポイント
マンションは外壁部分が大きいため、色選びは慎重にしましょう。
マンションの外壁の色で人気な色と色選びのポイントをご紹介します。
マンションの外壁塗装の人気色4選
マンションの外壁塗装で人気の色はいかの4色です。
- ベージュ系
- 白系
- 茶色系
- グレー系
マンションの外壁塗装の色選びのポイント
前の色と同じ色にしておく
マンションの外壁塗装では、以前の色をそのまま選ぶ人が多い傾向にあります。
特に、ベージュやグレーなどの一般的で誰にでも好まれる色は、年月が経っても古さを感じさせない色合いです。
新しい色を選ぶのに迷っている方は、無理に変えずに以前と同じ色を選んでみることもおすすめです。
3色以内にまとめる
色の選択は3色以下に抑えましょう。
1つのマンションで3色以上の色を使用すると、統一感のない見た目になってしまいます。
特にマンションは平面が多く、色が増えるほど色の組み合わせが難しくなります。
材質と色の組み合わせを考える
外壁塗装の色合いは、塗装される素材によって異なります。
例えば、コンクリートではつやのない印象になりますが、木材ではつやがあるように見えることがあります。材質によって色の見え方が変わるため、事前に材質と色の組み合わせや相性を確認する必要があります。
ただ、これは塗装初心者にとっては難しいかもしれません。そのため、塗装のプロに相談することをおすすめします。
面積効果を知っておく
明るい色は広い面積で見ると、一段と鮮やかに見える傾向があります。一方、暗い色は広い面積で見ると、より暗く見えることがあります。
この現象を「面積効果」と呼び、外壁塗装をする際にはこれを理解しておく必要があります。外壁塗装の色選びは、一般的に色見本帳やサンプルで行われますが、小さな面積で見た色と実際の塗装後の色に違いを感じることがあります。
このような誤解を避けるためには、事前に面積効果を考慮して色を選択することが重要です。また、色の見え方は大きさだけでなく、天候や時間帯によっても異なることにも注意が必要です。
汚れが目立ちにくい色を選ぶ
マンションは、戸建てと比較して定期的な塗り替えが難しいため、目立ちにくい色を選ぶことが理想的です。
白や黒、赤系の色は汚れが目立ちやすいため、あまりおすすめできません。
一方で、グレーやベージュ系の色は汚れが目立ちにくく、長期間美観を保つことができます。
汚れが目立ちにくい色 | 汚れが目立ちやすい色 |
---|---|
グレー(目立たない度★★★) | 白 |
アイボリー・ベージュ系(目立たない度★★★) | 黒 |
ブラウン(目立たない度☆★★) | 赤などの原色系 |
グリーン(目立たない度☆★★) |
経年劣化がしにくい色を選ぶ
色の選択において、汚れが目立ちにくいだけでなく、経年劣化にも耐える色を選ぶことが重要です。
外壁は日々、太陽光や雨にさらされており、これらの影響で色あせなどが起こります。特に原色系の赤や黄色などは、色あせが顕著になりやすいとされています。
周りの景観と合う色を選ぶ
また、周辺の風景や環境に調和する、控えめな色を選ぶことが重要です。
特にマンションは、戸建てに比べて目立ちやすい傾向があります。極端な色を選ぶと、周囲から浮いてしまい、その後の住人募集にも悪影響を及ぼす可能性があります。
また、一部の地域では、景観の保護などを目的とした規制がありますので、色の選択に制限が加わることもあります。
マンションの塗装工事において知っておくべきこと
マンションの外壁工事を行うにあたり、
- 塗装の臭い
- ベランダで洗濯物が干せない
といったことが発生する可能性があります。
どちらも入居者からのトラブルなどが生じる可能性があるので、外壁工事を行う前はしっかりと入居者に説明をおこなっておきましょう。
塗装の臭い
臭いに関しては、水性形塗料の方が明らかに少ないです。
性能面では、溶剤形塗料の方が優れていると言われていますが、最近では水性形塗料の性能もほとんど差がないほど向上しています。
臭いは、トラブルの原因となり得るため、入居者に十分な説明を行い、理解を得るよう努めましょう。
ベランダで洗濯物を干せなくなる場合がある
施工方法はいろいろありますが、通常、外壁の洗浄や塗装を行う際には、一定期間、ベランダで洗濯物を干せなくなることがあります。
また、作業によるチリやホコリ、塗料の臭いが発生するため、窓を開けることも制限されることがあります。
トラブルを回避するためには、事前に居住者に対して十分な告知を行い、理解を得ることが重要です。
マンションに外壁塗装を行うサイクル
外壁塗装は定期的に行う必要がありますが、適切なサイクルについてわからない方も多いでしょう。簡単に言えば、マンションの外壁塗装は、一般的に10〜15年ごとに行うのが適切です。
ただし、使用している塗料や外壁材によって耐用年数は異なります。
また、外壁にひび割れなどの劣化が見られる場合は、耐用年数やサイクルに関係なく外壁塗装を行うことをおすすめします。
まとめ
マンションの外壁塗装について、マンションの外壁塗装に関する費用の相場や注意すべき点、塗装の必要性を判断するためのポイントを解説しました。
まずはマンションの外壁塗装を行うタイミングなのかを確認し、必要であれば専門業者に相談するようにしましょう。
船橋市を中心に外壁塗装を行っている堀内美建は、現地調査、お見積りは無料です。どんな些細なことでもかまいませんので、お気軽にご相談ください。