ガルバリウム鋼板外壁の耐用年数は?後悔しないための基礎知識
「ガルバリウム鋼板の外壁って、本当に長持ちするの?メンテナンスも少なくて済むって聞いたけど、実際は何年くらいもつんだろう…新築やリフォームで使うべきか迷ってます」
そう思う方もいるかもしれません。
ガルバリウム鋼板の外壁は、適切な施工とメンテナンスをすれば25〜35年ほど耐用年数が期待できる素材です。耐久性とコストのバランスに優れており、長期的な視点で非常にメリットの大きい選択肢です。
この記事では、ガルバリウム鋼板外壁の耐用年数の目安や劣化のサイン、そして外壁をより長持ちさせる3つのポイントについて、外壁塗装のプロの視点から詳しく解説します。
リフォームや新築を検討中の方にとって、後悔しない素材選びの参考になる情報をお届けします。
ガルバリウム鋼板とは

ガルバリウム鋼板とは、多くの建材メーカーが採用している外壁・屋根材です。アメリカで開発された金属素材であり、現在ではメジャーな素材になりつつあります。
ガルバリウム鋼板とは、1mm程度の合金の板に金属メッキ(アルミニウム55%、亜鉛43.4%、シリコン1.6%の割合)を施したものです。メッキ加工のおかげで錆びにくく軽いのが特徴で、家に負担をかけにくい点で優れた外壁材といえます。
ガルバリウム鋼板のメリット
ガルバリウム鋼板は、窯業系サイディングと比べて軽いのが特徴です。外壁に重量があると家の骨組みに負担がかかりやすいため、外壁材が軽いのは長期的に見てメリットがあります。他にもガルバリウム鋼板のメリットは大きく分けて3つあるので、順番に見ていきましょう。
➀耐久性が高い
ガルバリウム鋼板は、トタンや窯業系サイディングと比べて耐用年数が長めです。耐用年数はメーカーによって異なりますが、20~30年以上と言われています。一方、亜鉛だけでメッキ加工している鋼板であるトタンの耐用年数は10~20年のため、金属系サイディングの中でも長持ちといえるでしょう。
また、窯業系サイディングの耐用年数は30年以上と長いものの、7~10年で塗料が劣化してきます。そのため定期的に外壁塗装を行わないと、耐用年数よりも短い期間で外壁が傷んでしまう場合も珍しくありません。しかしガルバリウム鋼板は、10~15年に一度の塗装で済むためメンテナンスしやすい点もメリットです。
➁金属だが錆びにくい
金属系サイディングのデメリットは、錆が発生しやすいことです。ガルバリウム鋼板は、トタンやアルミニウムに比べて錆びにくい特徴があります。まったく錆びないわけではありませんが、他の金属素材と比べると明らかに錆に強いです。他にも、ALC外壁や窯業系サイディングと比較すると隙間が少ないため、建物内に水が浸入しにくいメリットもあります。
➂耐震性に優れている
ガルバリウム鋼板は、耐震性に優れているのも特徴です。外壁材は軽ければ軽いほど家の基礎部分に負担をかけにくいため、地震の揺れに強くなります。金属は重いイメージがあるかもしれませんが、ガルバリウム鋼板は約1mmの厚さの合板にメッキ加工を施しているため、軽量化を実現しているのです。
ガルバリウム鋼板のデメリット

ガルバリウム鋼板にはメリットが多いですが、デメリットも存在します。業者が提案するメリットだけを鵜呑みにしてしまうと、長期的にはコストがかかることも少なくありませんので気をつけましょう。
ここからはガルバリウム鋼板のデメリットについて解説します。
➀錆びないわけではない
ガルバリウム鋼板は、まったく錆びないわけではありません。たとえば家の近くに工場や海がある場合は、薬品や塩害による影響を少なからず受けます。そのためガルバリウム鋼板を検討する際は、自宅の近郊状況をチェックしておきましょう。
すでにガルバリウム鋼板を使っている場合は、防錆塗料を使うなどの対策がおすすめです。また、定期的なメンテナンスによって錆を未然に防ぐ効果も期待できるため、お近くの塗装業者に相談してみましょう。
➁デザインのバリエーションが少ない
ガルバリウム鋼板は、デザインのバリエーションが少ないのもデメリットです。そのため選択肢が少ない点がネックに感じるのであれば、ガルバリウム鋼板は候補から外れるでしょう。
しかし、選択肢が少ない点は魅力の一つでもあります。シック・シンプル・シャープといったイメージに惹かれる方は、イメージ通りの仕上がりになる可能性が高いです。また独特の雰囲気を持つ素材であることから、ガルバリウム鋼板を積極的に用いる建築家もいます。シックでおしゃれな印象に魅力を感じる方におすすめの素材です。
➂傷や凹みが出来やすい
ガルバリウム鋼板は、傷や凹みが出来やすいのもデメリットです。特にフラットな形状の合板は、外部からの衝撃に弱い特徴があります。台風が多い地域などでは、石や木の枝などが当たって傷や凹みの原因になりやすいため避けた方が無難です。また子どもが庭でボール遊びをするなど、外壁を傷つける可能性がある場合も選ばない方が良いでしょう。
それでも耐久性の高さなどのメリットからガルバリウム鋼板を使いたいならば、波型などのデザインをおすすめします。フラットな形状と比べて衝撃に強いことから凹みが目立ちにくく、少し厚みがあるタイプも凹みに強くなるため、業者と相談しながら決めると良いでしょう。
④メンテナンスが必要
「外壁の手入れが楽」というキャッチコピーを売りにしている業者は多いですが、完全メンテナンスフリーの外壁は存在しません。どんな外壁でも年数が経てば塗装は劣化し、傷やヒビなどが発生します。ガルバリウム鋼板もメンテナンスフリーではなく、定期的なメンテナンスは必要です。
ガルバリウム鋼板の外壁塗装は、10~15年に一度と言われています。定期的にメンテナンスを行えば傷や錆も目立ちにくくなり、美しい外観を維持できるでしょう。
⑤断熱性が低い
ガルバリウム鋼板のデメリットには、断熱性が低い点も挙げられます。しかし、このデメリットはアルミニウムを使った断熱材などでカバーできます。
アルミニウムなどの金属は、コンクリートやFRP(繊維強化プラスチック)などと比べて熱伝導率が高いのが特徴です。熱伝導率が高ければ断熱性は低いことを意味しますので、優れた断熱材と組み合わせることでデメリットをカバーできるようになりました。そのため断熱性が気になる場合は、合わせて使う断熱材も業者と相談することをおすすめします。
ガルバリウム鋼板の耐用年数と費用

ガルバリウム鋼板の外壁は、適切な施工とメンテナンスを行った場合、おおよそ25年から35年程度の耐用年数が期待できます。これは、一般的な窯業系サイディングの外壁(15〜20年)に比べて、かなり長持ちする素材と言えるでしょう。
耐用年数に大きく関わるのは、主に以下の2点です。
ひとつは「素材そのものの防錆性能」、もうひとつは「塗装や防水処理の状態」です。ガルバリウム鋼板はアルミと亜鉛の合金メッキ層によって保護されており、これにより表面の腐食を大幅に防いでくれます。
ただし、塗装が劣化した状態で長期間放置すると、鋼板表面に細かい傷や錆が発生しやすくなります。特に海沿いや豪雪地帯など、厳しい自然環境では耐久性にも差が出やすいため、環境に応じた素材選びと定期的な点検が重要です。
また、メーカーや製品グレードによっても期待できる耐用年数は異なります。高品質な塗膜仕上げが施された製品では、塗り替えの周期を延ばすことも可能です。施工時に使用される部材や取り付け方法、施工者の技術も耐用年数に直結します。
結論として、ガルバリウム鋼板外壁は、初期費用こそ一般的な外壁材よりやや高めに設定されていますが、その分、長期間にわたり美観と性能を維持しやすく、トータルコストで見ると非常に優れた素材だといえます。
ガルバリウム鋼板も塗装は必要?
ガルバリウム鋼板は10~15年を目安に外壁塗装を行うのが一般的ですが、傷や錆が目立ち始めたら塗装を行うタイミングと考えましょう。外壁塗装をする際は、色あせや傷の補修だけではなく、その後のメンテナンスも考えて施工してもらうのがおすすめです。信頼できる業者に依頼すれば、お住まいの地域や劣化の状態を考えて最適な塗料を提案してくれるでしょう。
ガルバリウム鋼板の塗装費用
ガルバリウム鋼板の塗装費用はどれくらいかかるのでしょうか?以下の表に坪数における費用相場をまとめましたので、ご覧ください。
坪数(延坪) | 延床面積 | 塗装面積 | 費用相場 |
---|---|---|---|
10坪 | 33㎡ | 36~56㎡ | 約20~40万円 |
20坪 | 66㎡ | 73~112㎡ | 約40~70万円 |
30坪 | 99㎡ | 109~168㎡ | 約60~100万円 |
40坪 | 132㎡ | 145~224㎡ | 約80~130万円 |
50坪 | 165㎡ | 182~281㎡ | 約100~160万円 |
60坪 | 198㎡ | 218~337㎡ | 約120~200万円 |
70坪 | 231㎡ | 254~393㎡ | 約140~230万円 |
80坪 | 264㎡ | 290~449㎡ | 約160~260万円 |
90坪 | 297㎡ | 327~505㎡ | 約180~290万円 |
100坪 | 330㎡ | 363~561㎡ | 約200~320万円 |
※塗装面積は、延床面積×係数1.1~1.7で計算
※小数点以下は四捨五入
ただし劣化の状態や使用する塗料によって料金は変わりますので、ご了承ください。
他の外壁材と比較したガルバリウム鋼板の寿命とコストパフォーマンス
ガルバリウム鋼板の外壁は、他の代表的な外壁材と比べても耐用年数とコストのバランスが非常に優れているのが特徴です。
たとえば、日本で一般的に使われている外壁材としては、窯業系サイディング、モルタル、タイルなどがあります。これらの素材と比較すると、ガルバリウム鋼板は軽量で耐久性があり、メンテナンス回数を減らせる点でコストパフォーマンスが高くなります。
窯業系サイディングは初期費用が比較的安価で施工しやすいという利点があるものの、耐用年数は15〜20年程度とやや短めで、10年ごとの再塗装が推奨されています。塗装を怠るとひび割れや剥離が起こりやすく、補修費用がかさむこともあります。
一方、モルタル外壁は職人の手作業による独特の質感が魅力ですが、ひび割れが生じやすく、こちらもこまめなメンテナンスが欠かせません。定期的な点検や再塗装が必要なため、ランニングコストは比較的高くなりがちです。
タイル外壁は耐久性に優れており、メンテナンス頻度も少なめですが、施工費用が非常に高価なため、初期投資として大きな負担となる場合があります。
これに対して、ガルバリウム鋼板は、外的要因に対する耐性が高く、塗装やメンテナンスを適切に行えば、30年以上の使用にも十分耐える性能を持っています。しかも重量が軽いため建物への負担も少なく、地震リスクの軽減にもつながるのです。
また、素材自体の耐久性に加え、施工のしやすさや工期の短さといったメリットもあり、トータルで考えた際のコストパフォーマンスは非常に高いと言えるでしょう。
ガルバリウム鋼板外壁を長持ちさせる3つのポイント
ガルバリウム鋼板の外壁を長く美しく保つためには、素材の性能だけに頼るのではなく、適切なメンテナンスと使用環境への配慮が大切です。ここでは、耐用年数を最大限に延ばすために重要な3つのポイントをご紹介します。
1. 定期的な点検を怠らないこと
ガルバリウム鋼板は錆に強いとはいえ、絶対に劣化しないわけではありません。特に接合部や水切り、コーキング周辺は劣化しやすい箇所です。年に一度程度、外壁全体の状態を目視でチェックするだけでも、トラブルの早期発見につながります。
また、屋根や雨樋の不具合が外壁に影響することもあるため、外壁だけでなく建物全体のメンテナンスを意識することが望ましいです。
2. 高品質な塗装を施す
初期の段階で、耐候性の高い塗料を使用した製品を選んでおくことが、外壁の寿命を左右します。また、10〜15年を目安に再塗装を行うことで、防水性と美観を保ちやすくなります。
再塗装には、フッ素系や無機系など耐久性に優れた塗料を選ぶと良いでしょう。安価な塗料では劣化のスピードが早く、かえってメンテナンスコストが増える場合もあります。
3. 通気と排水に配慮する設計・施工を行う
通気層をしっかり確保することで、内部結露を防ぎ、鋼板裏側の腐食リスクを軽減できます。また、外壁表面に水が溜まりにくいようにするため、勾配のある設計や水切りの設置にも注意が必要です。
特にリフォームや張り替えの際には、見た目だけでなく構造全体の通気性・排水性も見直すことが、長寿命化のカギとなります。
これらのポイントを意識するだけで、ガルバリウム鋼板外壁の性能をより長く維持することが可能になります。
メンテナンスは必要?劣化のサインと適切な対応時期
「ガルバリウム鋼板はメンテナンスフリー」と言われることもありますが、実際には定期的な点検とタイミングを見たメンテナンスが不可欠です。完全にメンテナンスを怠れば、性能を活かしきれず、本来の耐用年数より早く寿命を迎えてしまう可能性があります。
劣化のサインはここに注目
ガルバリウム鋼板の劣化は、外見ではわかりにくいこともありますが、次のような兆候が出始めたら注意が必要です。
まず、塗装の退色やツヤの低下が目に見えてきた場合、紫外線による表面劣化が進行している可能性があります。塗膜が劣化して防水性が落ちると、錆びや腐食につながる恐れがあります。
また、サビの発生は重大なサインです。特にコーキング部分や接合部、雨だれがかかりやすい場所に発生する赤サビや白サビは、進行すると外壁内部まで腐食が進む恐れがあります。
そのほか、コーキングのひび割れや剥離、板金の浮き、ビスの緩みなどもチェックポイントです。これらは外観の美しさだけでなく、防水性能にも直接関わる部分であり、早期の対応が重要です。
メンテナンスの最適なタイミング
一般的に、ガルバリウム鋼板の外壁は10〜15年を目安に塗装メンテナンスを行うのが理想です。ただし、設置環境や使用塗料によっては、もっと早めの対応が必要となることもあります。
沿岸地域など塩害の影響を受けるエリアでは、腐食リスクが高まるため、定期的な点検を怠らないようにしましょう。逆に、乾燥した内陸部では劣化が遅くなる傾向があるため、状況に応じた柔軟な対応が求められます。
また、足場が必要になるメンテナンスにはある程度の費用がかかるため、屋根塗装や雨樋の清掃とあわせて一括で行うとコストを抑えることが可能です。
つまり、ガルバリウム鋼板はメンテナンスの手間が少ない素材ではあるものの、適切なタイミングでの点検と補修が、外壁の長寿命化につながるのです。
まとめ
ガルバリウム鋼板は、耐久性・錆びにくさ・耐震性に優れている外壁素材です。一方で、傷や凹みに弱く、メンテナンス状態によっては錆が発生することもあります。どんな外壁でもメンテナンスフリーのものはないため、定期的な外壁塗装は必要です。
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