屋根塗装で断熱できる?効果やメリット、相場についても
そろそろ屋根塗装をとお考えの方の中には、せっかく塗装するなら断熱効果のある塗料がいいのではと検討している方もいるのではないでしょうか。
しかし、はたしてどれくらいの断熱効果があるのか不安に思う方もいるでしょう。
この記事では、屋根塗装における断熱塗料に期待できる効果や遮熱塗料との違い、おすすめの断熱塗料についてご紹介します。
断熱塗料のメリット
断熱塗料のメリットとしては以下の点があります。
- 外からの熱を抑制し室内の熱を保温
- 耐久性が高い
- 結露の発生を抑える
それぞれを詳しく解説します。
外からの熱を抑制し室内の熱を保温
断熱塗料は、塗膜に熱を溜め込むことで建物内への熱の伝達を抑える特性を持っています。
多くの断熱塗料は、同時に遮熱効果もあるため、追加のメリットが期待できますが、価格は遮熱塗料よりも高くなる傾向があります。
冬季には室内の熱を逃がしにくくし、年間を通じてバランスの取れた効果を発揮する塗料です。
夏の暑さを防ぐだけでなく、冬の寒さ対策もしたいという方に向いています。
耐久性が高い
断熱塗料は製品によって異なりますが、一般的に15〜20年程度の寿命があります。
外壁塗装でよく使われるウレタン塗料の耐用年数が約7〜10年、シリコン塗料が10〜13年とされる中、断熱塗料はそれよりも長持ちします。
ただし、断熱塗料の施工費用は高めです。
しかし、塗り替えの頻度が低いため、総合的に見ればそれほど高額ではないかもしれません。
また、塗料の効果が持続している間は、冷暖房費の節約も期待できるため、トータルでみればお得かもしれません。
結露の発生を抑える
断熱塗料は、結露の発生を抑える効果もあります。
結露は屋外と屋内の温度差が大きい場合に起こりますが、断熱塗料を塗った表面は熱を一度吸収し、徐々に室内へと伝えるため、温度差が小さくなり結露が発生しにくくなります。
結露が発生すると、水滴が内装に伝わり、カビの原因になります。
断熱塗料は内装のダメージを防ぐ効果も期待できるのです。
遮熱と断熱の違い
「遮熱」は熱を遮ること、「断熱」は熱の行き場を断つことです。
つまり、遮熱塗料は外からの熱を遮り、室内の温度上昇を抑制し、断熱塗料は外からの熱の抑制と室内の温度を外に逃がさない、という違いがあります。
- 遮熱塗料は光を反射し室内が暑くなるのを抑制
- 断熱塗料は光を反射し室内が熱くなるのを抑制し、室内の熱も逃がしにくくする
- 断熱塗料のほうが費用は割高
遮熱塗料は夏の暑さ対策向きで、断熱塗料は一年中快適に過ごしたい方向けです。
断熱塗料の方が遮熱塗料よりも若干コストがかかりますが、特徴や望む性能を比較検討し塗料を選びましょう。
どちらがいいか迷う場合は、お住まいの地域を熟知している地域密着の塗装業者に相談してみましょう。
断熱効果を高めるポイント
断熱効果を高めるポイントとしては以下の点に注目してみましょう。
- 明るい色を選ぶ
- 住宅断熱との併用
それぞれ詳しく解説します。
明るい色を選ぶ
塗料の色は施主様が自由に選ぶことができるので、「好みの色を選びたい」と考える人がほとんどでしょう。
しかし、断熱効果を最大限に発揮するためにはなるべく明るい色を選択するようにしましょう。
黒などの濃い色は光の反射量が少ないため、断熱性のある塗料でも効果が十分に発揮されないことがあります。
例えば、断熱塗料で濃い色を選んだ場合と、一般的な塗料で白系の色を選んだ場合では、前者の方が温度が上がることがあります。
そのため、断熱塗料の利点を最大限に生かすためには、白系や淡い色を選ぶことが推奨されます。
住宅断熱との併用
断熱塗装を行うと、「以前より涼しく感じる」「冷房の効きが良くなった」という声が多くあります。
しかし、住宅環境によっては「あまり変わらない」と感じる場合もあります。
その場合、他の断熱対策と併用することで改善できる可能性があります。
断熱材が屋根と室内の間にあると、熱の移動を抑える効果がありますが、「しっかり設置されていない」「結露で断熱材が劣化している」などで本来の機能が失われていることがあります。
この機会に断熱材の点検を行い、必要に応じて交換を検討しましょう。
また、屋根裏の熱気対策として換気も有効です。換気孔付きの棟用板金や軒天材を設置することで、効率的に空気の循環を促し、屋根裏にこもりがちな暑い空気や湿度の高い空気を排出できます。
これにより冷暖房の効率が向上し、結露も抑えられます。
さらに、住宅の断熱性には窓などの開口部も大きく影響します。
特に窓の多い住宅では、断熱性能の高いガラスやサッシの導入を検討することも重要です。
おすすめの屋根用断熱塗料
ガイナ
この塗料は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)がロケットを高性能断熱材で保護するための技術を応用して開発されたもので、断熱性と耐久性に優れています。
価格は他の遮熱塗料よりも高いですが、光熱費の削減に加えて、高い耐久性による塗り替え頻度の減少も期待できるため、結果的にお得になると言えます。
断熱コートEX
東日本塗料の断熱コートEXは、トップコートが不要な耐候性を備えた塗料です。
トップコートを塗る工程が省けるため、塗装作業が短縮され、全体のコストを抑えることができます。
特殊な遮熱顔料が赤外線を反射し、有機無機ハイブリッドバルーンが熱伝導率を低減することで、断熱性能と遮熱性能を兼ね備えています。
耐用年数は8年から12年とやや短めですが、コストを抑えつつ屋根の断熱塗装を行いたい方に適しています。
クールサーム
株式会社大高商会のクールサームは、NASAが開発した特殊セラミックを含む遮熱・断熱塗料です。
1300℃の高温でも伝導しないセラミック微粒子を使用しており、可視光線や近赤外線の反射、熱エネルギーの放射によって熱の侵入を防ぎます。
メンテナンスの目安は10年ですが、トップコートの塗り替えのみで効果を持続できるため、コストを大幅に削減できます。
断熱塗料の費用相場
屋根の断熱リフォームに断熱塗装を施工する場合の価格相場は、1平方メートルあたり約4,000円から6,000円です。
たとえば、面積が120平方メートルの場合、費用は約48万円から72万円になります。
ただし、使用する断熱塗料の種類や耐久年数、施工工程によって価格が異なり、足場代などの追加費用も発生しますので、大まかな目安として考えてください。
また、外壁塗装と併せて行うことで、トータル的にコストパフォーマンスが高まります。
同時に行うことで、足場や作業員の移動などのコストが削減され、総合的な工事費用が抑えられるからです。
外壁と屋根を同時にリフォームすることで建物全体の外観が一新され、美観の向上にもつながります。
まとめ
断熱塗料は外からの熱を抑え、室内の熱を保温する特性があり、耐久性も高く結露の発生を抑える効果もあります。
耐用年数は15〜20年で、施工費用は高めですが、冷暖房費の節約によりトータルでお得です。
遮熱塗料との違いは、遮熱が熱を遮るのに対し、断熱は熱の行き場を断つ点です。
断熱効果を高めるには、明るい色を選ぶことが推奨されます。
また、他の断熱対策と併用することで効果をさらに高められます。おすすめの断熱塗料には、ガイナ、断熱コートEX、クールサームがあります。
これらの塗料は断熱性能が高く、特にコストを抑えたい方や耐久性を重視する方に適しています。
自分の家はどれがいいのかわからない、と迷う方は専門業者に相談することで後悔のない屋根塗装を行うことができるでしょう。
堀内美建は船橋市を中心に千葉県全域を幅広く対応しています。
外壁塗装や屋根塗装以外にも内装リフォームもお受けすることができますので、お家のメンテナンスについてわからないことがあればお気軽にご相談ください。